安全報告書(2008年)
おんたけ2240の索道事業に対して、日頃のご利用とご理解・ご協力を賜り厚く御礼申し上げます。
当社は、経営理念の第一に安全の確保を掲げ、法令の遵守とともに安全輸送に努めております。
本報告は、鉄道事業法に基づき、安全の取り組み及びその実態について自ら検証するとともに情報として、ご利用頂いておりますお客様をはじめ関係各位に広くご理解いただくために公表するものであります。
1.基本方針
社長及び役員は、安全第一の意識を持って体制を整え、輸送の安全を確保するため基本方針を次のように定め、索道施設及び全従業員を総合活用し営業を行っております。
- 一致協力して輸送の安全の確保に努めます。
- 輸送の安全に関する法令およびそれに関連する規程を良く理解し、これを遵守し忠実に職務の遂行に当たります。
- 常に輸送の安全に関する状況を理解するよう努めます。
- 職務の実施にあたり、推測に頼らず確認の励行に努め、その取扱に疑義のあるときは最も安全と思われる取り扱いをいたします。
- 事故、災害等が発生したときは、人命救助を最優先に行動し、速やかに行動し安全適切な処置を行います。
- 情報は、漏れなく迅速かつ正確に伝え、透明性を確保いたします。
- 常に問題意識を持ち、安全確保の向上と研究を行い、必要な変革に取り組むよう努めます。
2.輸送の安全確保のための取り組み
- 人材教育
当社では、お客様の輸送の安全確保のため、シーズン営業開始前に全従業員に対し、索道施設およびその取り扱いについての安全教育を実施しております。
運輸局・索道協会からの事故等の情報は、全従業員に通達し安全意識の向上に努めております。
- 緊急時対応訓練
毎年、シーズン営業開始前及びシーズン中に於いては月2回、職員・パトロール・索道従業員による救助訓練を実施し、万全の体制を整えています。
- 救命講習(AED含む)
当社では、日本赤十字社で行う救急法の受講を終了したパトロール隊員や職員を配置しております。また、シーズン営業開始前に、木曽消防署より講師を招き、AED(自動体外式除細動器)を用いた救命措置の講習を実施しております。
- 輸送の安全を提供する取り組みについて
当社では、運輸局及び索道協会等の主催する技術研修会に積極的に参加し、技術の向上に努めております。
また、ゴンドラおよび各リフトの整備(部品交換等)を夏季期間に実施、安全確保に努めています。
【平成20年度夏期整備 抜粋】
- (ア)御岳ゴンドラリフト・山頂線
- 支えい索(ワイヤーロープ)交換 支柱受索装置交換 シーケンサ・信号伝送装置更新
全索輪点検一部ライナー交換 減速機オイルクーラー整備
駆動伝達チェーン・スプロケット交換
- (イ)第7クワッドリフト
- 山頂山麓押送Vベルト全数交換
- (ウ)第5クワッドリフト
- 索受装置ブッシュ交換 受電設備整備
- (エ)チャンピオンクワッドリフト
- 握索機交換(全数)
- (オ) 第4ペアリフトB線
- 受電設備整備 握索装置整備
- (カ)第4ペアリフトD線
- 握索装置整備
- 安全管理体制
索道事業の安全確保のため、下記の通り安全管理組織を構築し、各責任者の役割を明確にした体制作りをしています。
また、全従業員に対し常に安全に対する報告を怠ることのないよう指導し、その中で話し合った内容を日々の業務に反映させています。
安全管理組織図と役割及び権限

| 代表取締役社長 |
索道事業の安全確保に関して最終的な責任を負う。 |
事業部長
索道部長 |
索道事業の安全を確保する為の索道事業の実施および管理体制の整備をすると共にそれらの方法を定める。また、その状況を常に把握し必要な改善を行う。 |
| 索道技術管理者 |
索道事業の安全確保に関する業務の統括をする。 |
| 索道技術管理者 |
安全統括管理者の指揮の下、索道運行の管理、索道施設の保守管理、その他技術上の事項に関する業務の管理。 |
| 索道技術管理員 |
索道技術管理者の指揮の下、索道技術管理者の行う業務を補助。 |
- 索道事故及びインシデントについて
1.インシデント報告
発生 日時: 平成19年12月15日(土)
「御岳ゴンドラリフト・山頂線」において発生いたしましたインシデント(脱索及び救助作業に長時間要した事)につきましては、お客様に多大なるご迷惑やご心配をおかけ致しましたこと、改めてお詫び申し上げます。
弊社と致しましては、今回の事態を厳粛に受け止め、施設の保守管理体制及び事故等発生時の乗客救助等の体制が不十分であったものと深く反省し、脱索の原因を究明し再発防止対策を講じるとともに、乗客の早期救助体制、乗客への的確な情報提供及び関係箇所への適切な連絡体制について改善を行いましたので下記のとおりご報告いたします。
尚、本件につきましては、平成19年12月17日付で北陸信越運輸局から指示されていたところですが、平成20年3月26日付で原因究明とその対策防止・改善策について報告しております。
記
- 脱索原因につきましては、
当該ゴンドラリフトの運行中に、索輪のゴムライナーの磨耗・劣化が進行して損壊・剥離が生じ、そのまま運転を継続した事により、握索装置及び支えい索(ワイヤーロープ)が直に索輪のフランジ(索輪のつば)等に接触して接触部の損傷を促進し、その結果、外側のフランジを損壊させ脱索するに至った事が主な原因と考えております。
- 救助に長時間を要したことにつきましては、
事故発生後、脱策箇所を現認し、短時間での復旧作業が可能であるとの判断の下、復旧作業を優先した事により、救助作業に係る指揮命令系統及び初動対応が行われず、地元警察署・消防署等、関係機関への連絡及び社内での救助体制に係る要員の召集が遅れ、結果として現場への到着及び救助用具の移動に遅れを来たすこととなりました。
救助は、5班体制にて行うこととしておりましたが、救助作業の習熟度、体力面等の問題から、当初社内で想定していた体制がとれず、結果、救助作業が長時間に及ぶこととなりました。
- 今後の再発防止・改善対策としましては、
社内の安全管理体制を強化し、当該施設の点検と必要な整備を行うとともに、確実な工事管理・保守管理の体制を構築し、施設の安全確保について万全を期しました。
社内規定の見直しを行い、指揮命令者、復旧作業員等が、運転停止後原因究明と並行し、救助実行判断を速やかに、遅くとも30分以内に行うこととしました。
係員に対し計画的に救助訓練を行い、救助作業の習熟度の向上を図るとともに、組織の見直しによる指揮命令系統の強化を行いました。
救助作業要領の見直しとそれについての社内への周知徹底、地元王滝村役場及び地元消防署への協力要請をする体制作りを行い、迅速かつ確実な救助を行える体制と致しました。
乗車中のお客様への情報を伝える手段として、搬器内の無線機については、毎日の始業点検における機能確認の実施等により常時使用可能状態に確実に保つ仕組みを整備致します。
搬器内に長時間閉じ込められたお客様は厳しい環境にあることから、搬器内に乗車定員相当の簡易懐炉・簡易トイレ等を常時設置し、救助までの間の健康状態の悪化防止に配慮することと致します。
「参考:事故等の種類」
- 索条切断・・・・索条の素線の全部又は一部が切損した場合
- 搬器落下・・・・搬器が落下した場合
- 搬器衝突・・・・搬器が他の搬器または工作物に衝突若しくは接触した場合
- 搬器火災・・・・搬器に火災が生じた場合
- 人身障害・・・・索道の運転により人に死傷を生じた場合
- インシデント・・索道事故等が発生する恐れがある場合
以上の改善対策を実施しました事をご報告させて頂きますと共に、今後二度とこの様な事態を起こさないよう、経営陣・従業員一丸となって安全輸送の確保と信頼回復に努めて行く所存でございます。
- お客様へのお願い
来シーズンは無事故を目指し、安全で楽しいスキー場を提供すべく全社・全従業員が一丸となって努力します。
リフト乗車・降車時における注意喚起看板および係員の指示は、すべてお客様の安全を確保するために必要な事項でございます。
スキー場のルール・マナーを守って頂けます様お願いいたします。
これらの事項を守っていただくことにより、個人はもとより他のお客様の安全を守ることにもつながりますので、ご理解とご協力をお願いいたします。